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2005.09.09

デンドロクロノロジー

IMGP2054

先日の道志ボランティアの際、インストラクターのWさんにせっかく切ってもらったヒノキの円板。良いにおいがするのだが、触って観察していると周囲の樹皮がボロっとこぼれ、いつの間にか部屋が汚れる。また、そのうちに指がべたべたしてくるのに気づく。樹脂がついたのだろう。樹皮を一部はがしてみたらきれいにはがれ、みごとにつるつるの生肌が露出した。みずみずしくつやがありツンと香りが立つ。はがした樹皮を風呂に浮かべるといい感じであった。

IMGP2058 クリックで拡大し、中心部を良く見てみよう

さて、ヒノキの年輪をよおく観察してみると奇妙な部分があり、初期にひどい障害をうけたことがわかる。しかも2度もだ。食害をうけたのか?下刈りで誤って傷つけられたのか?しかしやがて、周りのほうから盛り上がるようにしてその障害を受けた部分は埋まってゆき、その後は欠落なく年輪がつながり、順調に成長を遂げているようだ。

年輪年代学という学問の一分野があり、考古学での年代判定に威力を発揮しているという。自分は考古学には興味は無いのだが【年輪を読む】という部分に興味を持ったのでいろいろと調べてみたら、こんなおもしろい記事を見つけた。

これに刺激を受け、自分でもちょっとやってみようと思い立ち、裁縫用物差しを探し出してきてヒノキの年輪の測定をやってみた。きれい(一部の欠落がなく読みやすい)な年輪ならかなり正確に測定できるのだが、我がヒノキはなかなか手ごわかった。まず、中心点から見ていく訳だが、最初の年輪がはっきりしない。分かりやすい年輪を数えながら外に向かうと、欠落にぶち当たる。しかたがないので円周上をぐるっと周り条件の良いところから再開する。目を凝らして数えてゆく。途中の成長の早いあたりには【偽年輪】というのがあって、こいつはぐるっと一周はしていないがその部分だけ見るときれいな年輪になっている。こういうやっかいなヤツを無視して本当の年輪だけを数えてゆく。何度もやっていると、このヒノキは39歳または40歳であることが分かった。

次に、中心点から条件の良い方向に鉛筆で直線を引き、各年輪までの距離を測ってゆく。裁縫用の物差しは2mm単位になっていて大変読みづらい。我慢して0.1mmレベルで数値を記入してゆく。こうして39個の数列が出来た。これをエクセルに入力し、隣り合った数値の差を出す。グラフ化し、いろいろと修飾を加えると以下のようなものが出来上がった。測定の誤差がけっこうあると思うが、まぁどうだろう?
DENDRO2

当初11年目ぐらいまでは鳴かず飛ばずで、ほとんど成長無し。下草に埋もれていたのかもしれない。13年めから爆発的に成長が始まる。回りに間伐が入るなどして環境が改善されたのかもしれない。17、18年めに成長が鈍るが、19年めからまた年5ミリ以上の成長を見せている。26年目あたりから鈍化し、32年め以降はほとんど成長していない。たぶん、枝払いや間伐の手入れがまったくなされなくなったものと思われる。

先のページによると1985年に干ばつ発生とあるが、これは岡山市のこと。このグラフでは1985年は20年目にあたるが、21年目に成長量の凹みが見られる。道志村での過去の干ばつが調べられれば関連性が見られるのかもしれない。ま、今回はちょっとしたお遊びということで。

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