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2006.09.14

水源涵養機能とは

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ボランティア活動の行きのバスの中では水源林の水源涵養機能についてのビデオを見る。もう10回ぐらいは同じものを見ている。この中に道志水源林を管理している横浜市のプロ達が出てくる。その中で「昔は道志川の水量が多かった。今となっては昔のようには戻すことはできない...」という発言があり、これが昨年からず~~~~~~~っと引っかかっていた。

水源林から流れ出る川の水は雨由来のものだ。雨量が同じならどのような水源林であってもけっきょくは川の水量は同じではないのか?という疑問である。どう考えても総量は同じであろう。だが、「昔は水量が多かった」というのはそこに住んでいる現地の人の生の言葉である。何故だ~?

今回のバスの中でず~っと、このことを考えていた。外の雨を眺めながら....先日の月曜日朝の大雨はすごかったなぁ。ああいう雨が水源林に降ったらどうなるのだろうか?立派な水源涵養林には林の地表に下草が生えているため土砂が流れることはない。植物の根に沿って地中にたっぷりと吸い込まれるはずだ。また葉にもたっぷりと蓄えられる。そして時間をかけて川に流れ込むだろう。ただ、土砂は流れないので川は濁らない。そして、増水した川の水量は長持ちするだろう。やがて徐々に普段の水量に戻るはず。

では水源涵養機能の弱い林の場合はどうだろうか?たとえば極端な例として全面的にゴルフ場いや、運動場に置き換えて考えてみよう。大量に降った雨は多少は地面に吸い込まれるが吸い込まれる量には限りがありすぐに水溜りとなり、ほどなく微妙な高低差を辿って低いところに集まるはず。そしてさらに低いところを求めて流れができる。運動場に水流が発生するわけだ。大雨の場合はこの流れがどんどん流れ出し川に轟々と流れ込むだろう。だから雨後、すぐに増水する。そして流れと共に土砂が流れ込むはず。川は濁る。そして雨が上がるとたまった水が流れてしまえば比較的速やかに水量が減り始めるだろう。そしてやがて普段の水位にもどる。

そうだ、この普段の水位というのが味噌ではないか。いつもの水位が昔は高かったが、今は低い。昔は大雨が降っても増水が遅く、水位もそれほど上がらず、増水状態が長く続いた。今は、大雨が降るとすぐに激しく増水し濁る。だが比較的速やかに水量は減る。そして普段の水位が低い。雨の総量は変わらず、川の総流量も変わらない。だが普段の水量が多く、水源林がとてつもないバッファとなることによって川の水位が安定して高い。しかも、土砂の流出がほとんどなく川は濁らない。大雨でも洪水にならない。これが理想的な水源涵養林とその川のありようではないだろうか。と思うに至った。

だから林床の下草が重要なのだ。地面を保護し、雨水の地下への浸透を助ける下草。そのために明るい林であることが必要なのだ。間伐をせずに樹冠部だけが生い茂って下が真っ暗な林には下草が生きる可能性はない。そこに降った大雨は地面を削り、樹木の根を露出し、川を濁し、川の大増水を起こす。やがて樹木も疲弊し山は死んで行くのだ。

.....てなことに思い至り、やっと納得できたような気がした。そのスギ林の持ち主がどこの誰で、どういうことを考えているかなど関係なく、その林の間伐をすることで水源涵養機能を高め、道志川水系の水源を守ることにつながる、だから微力ながらボランティア活動をするのだ。
冒頭の写真は道志川からつながる相模川。2002年8月のもの。小倉橋を望む。相模川は大雨の後はどういう表情を見せるのだろうか?濁るのだろうか?

追記:昔の写真を探っていたら出てきたので、2003年8月の相模川の写真。ご覧のように大増水している。しかも濁っている。大雨の後なのだろうか。これが相模川上流の水域全体の水源涵養機能の低さを表しているのではなかろうか

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コメント

なるほど~水源涵養機能ってそういうことだったんですね。

投稿: | 2009.01.19 10:28

なるほど~と思っていただいてうれしいです。2年半も前の記事にこういうコメントをもらえると「やったぁ!」なんて思いました(笑)。

投稿: はるきょん | 2009.01.19 21:00

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