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2007.01.14

横浜の港にて

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みなとみらいに展示されている北朝鮮の工作船を以前から見たいと思っていたが、今日ついに見学してきた。思ったよりも大きな船は居住性を犠牲にし秘密工作のための様々な仕掛けを凝らしたものであった。銃弾による穴があちこちに空き、戦闘の激しさをそのまま表していた。武器や通信機、キムイルソンの肖像画、食料など展示されていた。自沈してから9ヶ月後に引き上げられたものとは思えないほどの遺留品の多さである。ほとんど拿捕寸前まで行っておきながら眼前で自爆されるという悪夢のような苦い経験をしたJAPAN COAST GUARDの執念が感じられた。ふだんは悪意を持ち邪悪な手段を使ってくる国の存在も感じないままに過ごしているが、こうして目の前に差し出されると身震いしてくるような怖さを感じた。小説で読むスパイ物や戦争モノは好きだが現実に見せ付けられるとその迫力はすごい。工作船自体は撮影できなかったが、外に海上保安庁のくりこまが停泊していた。青い空と海に浮かぶ船は実にスマートで美しかった。

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さて、山下公園では大道芸が人の輪を作っていた。氷川丸の近くで手すりにユリカモメが停まっていた。一枚目は昨春生まれの若い個体。いわゆる1W(First Winter)羽。鳥は年齢によって羽衣(うい)が決まっており、成鳥になるまでは羽衣を見れば何歳児かが分かる。くちばしと脚がオレンジ色で三列風切と雨覆が黒っぽいのが1W。成鳥になるとご覧のようにくちばしと脚が赤くなり(みやこどり:はしとあしと赤き鳥)、翼が淡いグレーでのっぺりとしている。1Wのユリカモメはたぶんロシアのどこかの湿原で昨年の春生まれ育ったものだろう。彼らには国境などなく、空があり、大地があり、エサがあり、天敵がおり、厳しい自然があり、そして海がある。季節になると海を渡りたいという本能があり、それに従うのみ。逞しく生き、美しく飛び、そして死んでいく。青い海をバックにしたユリカモメは白くスマートでこれまた実に美しかった。

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コメント

こんばんは。

スパイ小説が好きなんですね。
そういえば、はるきょんさんの書く文章、
状況描写がスリリングな所が時々ありますね。
その影響でしょうか?

ユリカモメは散歩に行く土手でよく見かけます。
鳥の名前はあまり興味なくて以前は
両手指の本数と同じくらいしか知らなかったです(笑)。
はるきょんさんの所に来てかなり種類を覚えましたね~。
ユリカモメ、愛らしくて、羽と胴のツートンカラーがおしゃれです。

投稿: bikki | 2007.01.18 20:51

こんばんは。20年ほど前に冒険小説にはまりました。ロバートラドラム、フレデリックフォーサイスでしたね。悪魔の選択とか第四の核とか、スカーラッチ家の遺産とか暗殺者とかの文庫本を読みふけりました。そのころであれば翻訳調の文体で書いていたと思います(笑)。たしかにたくさん読む文章に似ると思いますね。そして徐々に守備範囲を広げながら、最近はほとんどペーパーバックになってしまいました。(かといって英語では書けませんが)。bikkiさんは文学作品を読んでいそうですよね。

投稿: はるきょん | 2007.01.19 22:48

こんばんは、追伸です。

そんなに読んでないです。
本好きな叔父が実家にいたので、本棚に増えていく本を手当たりしだいに。三浦綾子はよく読みました。村上春樹も「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」「風の歌を聴け」など初期のもの。
先日、息子が帰ってきたときの荷物の中に、この本たちがあって昔の自分を思い出してしまいました。女性に人気のある太宰治は全然読まなかったです。ダメでした。どこがいいのかわからない、と言ったら、太宰ファンに怒られそうですが。そのほかでは三島由紀夫など、そこからジッドやフロベールに手を出し、よせばいいのにロシア文学の高い壁に跳ね返され、澁澤龍彦のアブナイ世界に足を踏み込みかけたけど、健全な(?)大衆路線に軌道修正し、今日に至っています(笑)今読んでいるのは桐野夏生「魂萌え!」。もう私の中では大変な「敏子さんブーム」です(大笑い)。

投稿: bikki | 2007.01.20 20:31

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