不明トンボ@新治市民の森はショウジョウトンボ
新治市民の森のトンボ池でこのトンボを見つけた。この不思議な色合いのトンボはいったい何だ??翅の根元がオレンジ色。腹部が赤い。縁紋は黄色っぽい。最初に思ったのはショウジョウトンボ♀。しかし、こんなに腹部が赤くなるだろうか?ということで疑問は大。次の候補はネキトンボ♀。胸の模様がはっきりしないのと脚の色が黒くないので違うかなぁ。ではいったい何なのか?
.....良く見ると尾部先端の形からこれは♂と思われる。翅の根元の感じからどうしてもショウジョウトンボっぽいのでショウジョウトンボ♂未熟個体ではないかと思いいたった。そういえばこの個体を最初に見たとき池からふらふらと飛び出したので、羽化直後だったのかもしれない。あまり飛ばずに池の周りの草地をつかず離れずちまちまと中途半端に移動していた。ショウジョウトンボ♂は真っ赤なわかりやすい個体しか見たことがなかったので、これがオス未熟個体だとしたら初見である。7月31日、新治市民の森にて
★追記 8/2
「赤トンボのすべて」という本によると、いわゆる赤トンボであるアカネ属では前翅の根元から結節までの結節前横脈(ま、写真では上下方向にあるので縦じゃないかと思うが。さておき)は6.5~8.5本(.5って何?もさておき)、後翅のそれは9本だという。この個体の翅を最大限拡大して数えてみたところ、それぞれ12本、9本であった。アカネ属以外で赤くなるトンボ14種の中でこれに該当するものはショウジョウトンボだけであるのでこのトンボはショウジョウトンボということになる。ちなみにこの結節横脈の数を図から数えたところ、それぞれショウジョウトンボ(前翅11.5本,後翅9本)、ウスバキトンボ(13.5,7)、ハッチョウトンボ(5,4)、ホソアカトンボ(13-16,14)、シマアカネ(13-15,12)、オオハラビロトンボ(15-16,13)、コフキショウジョウトンボ(16,12)、コフキトンボ帯型♀(6-8,6)、ベニヒメトンボ(7.5,6)、ヒメキトンボ(7.5,5)、アメイロトンボ(13.5,9)、ハネビロトンボ(10.5,7)、ウミアカトンボ(11.5,8)。ほとんど見たこともない種ばかりである。また根元に赤斑のある翅もショウジョウトンボに合致するし、他の種には合致しない。
★再追記。このショウジョウトンボ♂は未熟個体かもしれない。♀のような黄色い羽化直後の個体が真っ赤な成熟個体に代わる途中のフェーズではないか。次回またこの個体に会え、この時と同じような体色だったらそれは個体変異といえるのかもしれない。8/4。
それから、結節前横脈は根元のほうから数えるのが正しいようなので写真の数字は逆である。また、.5というのは半分までしか到達しない脈のことを言っているようである。前翅の1のような。
この写真の左翅部分をクローズアップしたのが上の写真である。
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コメント
こんばんは、はるきょんさん。
羽化直後って、ホントに全然色が違うんですね。
はるきょんさんの古いログではないですが
今日、近くの公園でアブラゼミの羽化を、初めて見ました。
普段は、静かな公園なのですが、今日は「親子で虫を捕ろう!」
…みたいな企画の催し物があり
親子連れがウジャウジャ来ていて、参りました。
その蝉は、一度木から落下してしまったのですが
その子たちが、枯れ木につかませて木に戻したので
何とかなったようです。
親子連れが帰ったあと、イトトンボがアブを捕まえたシーン遭遇!
私は、昆虫少年ではなかったですが
小さい頃に、六郷川(多摩川下流域)でイトトンボ見て
何てちっちゃくて可愛いトンボだと思っていたので
結構ショックです。
やはり、肉食系は凄いですね。
投稿: ジャワカ零 | 2010.08.01 21:44
ジャワカ零さんこんばんは。昆虫の羽化ってとっても魅せられてしまいますね。セミの羽化はしばらく見ていませんので、また見てみたいです。上のトンボですが、まだ悩んでいます。羽化直後だと翅がキラキラしていてすぐにそれと気づくはずなのですが、この個体ではそれを感じませんでした。今日「赤トンボのすべて」という本を入手してきたのでもしかしたら疑問が解けないかと期待しています。
投稿: はるきょん | 2010.08.02 20:13
こんばんは、はるきょんさん、
出たばっかりの本ですね。>「赤トンボのすべて」
結構なお値段です。買えません。
ところで、一つ教えて欲しいのですが
イトトンボがアブを捕まえる直前に、
尻尾をヘの時に上下させる行動をとったのですが
この行動は、イトトンボの普通の行動パターンなのでしょうか。
投稿: ジャワカ零 | 2010.08.02 23:32
こんばんは。7月11日に見たキイトトンボ♂も腹部をグニャグニャ曲げる行動をしていました。オスは腹部先端から出る精子を移すために腹を曲げて腹部第二節の副性器にタッチする行動をします。移精というそうです。これの練習かは分かりませんが腹部をぐにゃぐにゃする行動は時折見られます。「赤トンボのすべて」はさっそく役に立ってくれました。図書館で読めるといいですね。
投稿: はるきょん | 2010.08.03 20:42
はるきょんさん、こんばんは。
いろんな状況で、あの様な行動をとるようですね。
大田区の図書館では、本購入のリクエストが以前ありましたが
現在は、どうもその様なサービスはやってないみたいです。
…、しかし夜になっても暑いですねぇ。
投稿: ジャワカ零 | 2010.08.03 22:07
ジャワカ零さんこんばんは。しかし今年は異常に暑いです。毎日、朝と晩の室温・湿度を記録しているのですが、いずれかが30度以上になった日が今年は9日もありますが、昨年はこの日までゼロ回でした。早く涼しくなってほしいです。切望します
。赤トンボ本のおかげで、過去に撮ったトンボの翅の結節横脈を毎晩数えています。
投稿: はるきょん | 2010.08.04 19:46