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2010.12.11

胃カメラ体験談

R0037654 なんとも皮肉なことに、胃が痛くなったのは人間ドックの直後からだった。人間ドックではバリウムによる胃のレントゲン検査を受けたが、どうもその検査が胃痛を引き起こしたのではないかと八つ当たりにも似た疑惑がむくむくと湧きあがっていた。空腹時に胃が痛むのである。夕方とか夜中2時とか。水やお茶を飲むと痛みは和らぐ。だが、鈍い痛みが続いているのにふと気づくと自分の健康状態を深刻に考えてしまったりして、暗いことこの上ない。夜中に胃が痛んで眼覚めてしまうことが幾夜か続き、我慢できなくなって、人間ドックを受診した病院の内科を訪ねた。
事前アンケートに症状を具体的に書いたところ、内科の医師はそれだけを見て、逆流性食道炎十二指腸潰瘍の可能性がありますねと指摘した。過去の人間ドックで十二指腸潰瘍痕とびらん性胃炎の指摘があったことを言うと、胃カメラで見てみる必要がありますねぇとおっしゃる。(出た!即座に)鼻からのやつできますか?と尋ねたら、「経口と経鼻の両方可能なんですが、経口のほうが見え方が断然良いんですよ。食道の出口付近などをよ~く見るには経口のほうが精確な診断が期待できるので経口でやります(きっぱり)」。
実は事前に少し知識を仕入れていて、経鼻のほうが患者の負担が断然軽いことを知っていてそれを望んでいたのだが、その淡い期待をあっさりと切り捨てられた。まぁしょうがないと、一気に諦めの境地に。
胃の内視鏡検査は予約が詰まっているようで、翌週の水曜日10時からとなった。その日までは毎日、胃酸を押さえる薬を飲むことになった。ガスターDガスモチンを夕食前に飲むこと。
その日の夕方から二種類の薬を飲み始めると、胃痛は嘘のように無くなった。一日一回夕食前というのも忘れないでよいタイミングだった。その後の一週間は胃カメラへの恐怖がじわじわと忍び寄るのを感じながらも、同時に胃痛からすっかりおさらばし、もう検査しなくてもいいんじゃないか?キャンセルしようかな?などと思うこともあった。だが、胃酸を押さえているというのは症状を出にくくしているだけであり、根本原因を治しているわけではないことは十分分かっていたので、翌週水曜日はちゃんと検査に出頭した。
当日朝は朝食なし。8時前にお茶を一口だけ飲んで出かける。前日午後から10月とは思えない真冬並みの寒波到来のため、なんとコートを着て行った。0950時にチェックイン。2階の受付にカードと検査票を出すと、血圧を測れという。待合室の片隅のマシンに腕を通して測定し、上が132、下が82、心拍数が59という結果を報告した。ちょっと高いのは緊張のせいかも。
どうせ長く待つことになるだろうとラドラムペーパーバックを読む気満々だったのだが、3行も読まないうちに名前を呼ばれた。
BMIの高そうな看護婦の指示を受け、名前・生年月日の確認をし、紙コップに入ったまずい液体を飲んだ。胃の中の泡を消す薬とか言っていたような気がするがよく覚えていない。飲めないほどまずいものではないが、普段こんな旨くないものを口にすることは無いという程度のまずい液体だった。胃の中に泡があるのが不思議だが、それをどういう機序で消すのだろうか。界面活性剤の逆なのか。続いてワイシャツを脱ぎ、ベッドに横になり、これまた紙コップに入ったできの悪い平たい氷を口に含むように指示される。解けた液がなるべく喉の奥に触れるようにするべしと。経皮の局部麻酔液とでもいうものだろうか。解けた液体はとても苦いものだった。なるべく口の奥に位置するように、口をあけて「あ~」というような感じで喉を開き気味にしているうちに、急に吐き気が襲い、ヒヤッとした。舌が痺れてきたのが分かるが喉が痺れた感じはしない。これでいいのだろうか?しばらくすると全部溶けてしまった。結局はそれを飲んでしまったので、食道や胃も麻酔されたのだろうか。
BMI看護婦は氷が解けるタイミングを体で覚えているらしく、完璧なタイミングでなんらかの回遊から戻ってきて「解けましたか?」と聞いてきた。グッジョブ!「ちょうろろけました」。あらら。口の中が痺れ、ろくに舌が回らなくなっていた。
次は胃の動きを抑える注射を左腕の肩付近にされた。これが結構痛かった。しばらく患部を揉んでいると、別の部屋に呼ばれた。あー、いよいよだ。
体の左側を下にしてベッドに横たわるとちょうど注射の痕が痛む。注射は右肩にしてくれれば良かったものを。医者がなにか言ったがなんだか分からないうちに突然ベッドの一部が盛り上がりびっくりする。でかい金属の箱と真っ黒くぶっといホースが蛇のように鎮座しているのがちょうど顔の前に位置してとまった。えっ?!これ、ちょっと太いのではないか?先端部はよく見えなかった。オリンパスのロゴが見えた。BMIが適正と思われる別の看護婦にマウスピースとやらをくわえさせられ、唾液は口の外に流すように言われた。
医師は黒いホースに透明のゲル状の何やらをぴーっと塗ったかと思うと、あれよあれよという間に口にカメラが差し込まれ、さらに喉に突っ込まれた。おいおいおいおい。このあたりが一番辛いところですが我慢してくださいとか言われながら、そのままぐいぐいと通過していく。何度か嘔吐反応が出た。喉の中を太いケーブルが通ったままの状態で喉が飲み込む動作をすると、すごく違和感というか痛みがある。そのまま息もできずもがき苦しんでいると、BMI適正看護婦がちょっと緊張が強いですねぇ。落ち着いてくださいねぇ。とか言葉をかけてくれる。がこちらはそれどころではなく、もうどうしていいか分からない状態でむせかえっていた。おえおえ。上半身に一気に汗がふきだしたような気がした。医者と看護婦の関心は哀れな患者の様子ではなく、モニターに映っている画像に集中していた。冷静に何か言い合いながらすでに何らかの処置をしたりしているようだったが、こちらはやっと鼻呼吸ができていて窒息死しなくても済みそうなことにやっと気付き、なんとか少し落ち着いた。しかし嚥下動作が起こるたび喉の違和感が強く、また小パニックになりむせる。いつの間にか眼をつむっていて涙がにじんでいた。こういうのを拷問と言わずしてなんと言えようか。腹部の下のほうを中からつんつんするような感触がした。突然丸くて大きな風船のようなものが上がってきてどうしても耐えられず、かなり大量の気体を大気に放出した。なんじゃこりゃー。ゲップを我慢するように言われた気もするが何がなんだか分からないんだから仕方が無い。そうこうするうちに「そろそろ終わりです」と聞こえたか聞こえないうちに再び喉を圧してカメラが戻ってきた。唾液やらなにやらのげろげろの液体が口からあふれティッシュを大量に使った。口は苦いし、舌も痺れたままで気持ち悪いことこの上なし。なんだかあっという間だった。3分ぐらいしか経ってないような気がした。

この医者はタイミングが速すぎるのだ。「○○します」と教えてくれるのはいいが、その後にちょっとでいいからを取れよ。患者の様子を見ずに自分の都合だけで事を進めるので乱暴に扱われたような印象が残るのだ。

ベッドからなんとか起き上がり、医師の隣の席に移ると、モニターで鮮明な画像を見ながら説明してくれた。食道から胃への入り口付近は白っぽい薄皮がむけたようになっていてその下が赤くなっていた。食道炎が確定。胃を通過して十二指腸に行くと明らかに小さくへこんだ部分が認められ十二指腸潰瘍も確定。胃壁を見ながら、医師は「ピロリのいそうな胃だなぁ」だそうだ。ピンク色でヒダヒダのある一見ふつうの胃壁なのに。自分には違いが分からないが、どこがどうなのでピロリ菌がいそうなのかはあえて尋ねなかった。それよりも初めて自分の胃の中を見て、珍しいというか、DVDにでも映像を焼いてもらって暇なときに観察してみたいような気もした。
一週間薬を飲んだが潰瘍が治っていないことが医師には意外だったらしい。ピロリ菌の除菌を行うと十二指腸潰瘍の根本原因を消すことができるが、逆に食道炎には悪影響があるので後回しせざるを得ない(この辺の論理はいまひとつ理解できなかったので後で調べよう)。まずは潰瘍を治すために前回より強い薬を出すことにしますという。3週間これを飲んで、次回の診察時にピロリ菌がいたかどうかも含めて今後の処置を考えましょうということになった。当方に異存はまったく無いので3週間後の診察の予約を入れてもらった。
元の処置室に戻り、BMI不適正看護婦に引き渡された。シャツを着て居ずまいをただし、口周りを何度も清めてから手動の血圧測定をおこなった。事前の値とほぼ同じだった。ごくごく稀に検査で出血し、それに気づかぬまま放置して大事に至ることがあるらしいので、血圧が下がってないかでそれを確かめるのだろう。何点か注意事項を説明されてから、待合室に無罪放免となった。
なかば呆然としたままトイレに二度ほど行き、口を清めた。口の中が苦く痺れていてとにかく不快だった。しばらくすると診察券やら処方箋やらのフォルダーを渡され、1階の会計に行く。しばらく待たされて6K円ほどを支払って病院を出ると外は快晴だった。
近くの薬局で前回と同じガスモチンと新しいパリエット25日分を約2K円と取引した。薬局で待つうちに口の痺れが突然晴れあがってくるのが分かった。BMI看護婦は11時までは水を飲むなと言っていたが、30分も早く開放されたようである。
しばらく休んでから朝食兼昼食を近くのうどん屋でとった。しつこい苦味ようなものは消えていない。また、やわらかいうどんなのに飲み込むと喉に違和感がしぶとく残っていた。飴玉がのどにつかえたような感じだ。この違和感は翌日の朝まで続いてやっと消えた。ふぅ~。

バリウム検査は検査中の忙しさ(あっち向きに回れだのうつ伏せになれだの右45度だの指示がうざい)と検査後のバリウム便が厄介(笑)で苦手なのだが、毎年やっていることもあり我慢できる。だが今回懲りたので内視鏡はもう二度とやりたくないと今のところ思っている。カプセル型のカメラをのんで、そのまま消化管を通過して排出するまで内部の写真を撮ってくるという製品のことを聞いた覚えがあるのだがまだ普及してないのだろうか。

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コメント

こんにちは。経口の胃カメラは過酷なんですねdespair 貴重な体験談ありがとうございます。食道炎仲間としては、たいへん参考になりました。
自分は経鼻で楽でしたけど、デジカメで撮ったような画像しか見れませんでした。ちゃんと検査するには、やっぱり胃カメラなんでしょうね。うぇー、悪化しないように気をつけます。
時節柄、お互い胃腸を大事にしましょう。

投稿: 小鉄 | 2010.12.12 13:55

小鉄さんこんばんは。食道炎仲間になってしまいましたね。これまで胃のことなんか何の心配もしてなかったのが一気に持病持ちになってしまいました。この胃カメラの次の診察は、映像を見ながらの診察となりました。動画ですね。経鼻だと静止画像になるんでしょうかね。

投稿: はるきょん | 2010.12.12 20:19

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