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2012.09.30

テングスケバ@寺家ふるさと村

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寺家ふるさと村まで約10km。鶴見川を遡り、黒王号で35分ほどかかった。自転車はぶりぶりにはこがない。汗まみれになるからだ。暑かったのでボトルに水を詰めて行った。虫よけスプレーも持参。ふるさと村では一定の場所に自転車を止めてじっくり時間をかけて散策した。田んぼの稲刈りが賑やかだった。この日で半分ほどが終わったようだ。
上は祝!初見テングスケバ。図鑑などで見ていたので直ぐに和名は分かった。頭部から胸部にかけての緑色と金色のツートーンカラーが美しい。もちろんテングの鼻は特徴的だ。
昆虫なので3対の脚がある。この仲間で注目は中脚と後脚の位置関係だ。長い後脚が中脚の上に重なるように位置する。余計な心配だがこれで歩くと脚がこんがらがるのではないだろうか。
下はおまけのクモヘリカメムシ。翅のX字部に赤っぽい模様があり美しく、別種かと思った。小さくて細いがこうして見ると気品があるように見える。
9月29日、寺家ふるさと村にて
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2012.09.29

コカマキリ@新治市民の森

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夏が過ぎて秋になると新たな昆虫の発生がほぼなくなり、昆虫達も徐々に減り、クモやカマキリなどの肉食系が目立ってくる。こういう捕食系は獲物となる小昆虫が夏の間にたくさん増えた、その後のタイミングで徐々にその数を減らすべく、存在感を増してくる。しかし、秋が深まり餌が無くなるとこれら肉食系もエサが無くなり、没してゆくわけだ。上はコカマキリ。鋭い鎌の歯がサメの歯を思わせる。これで挟まれたら、もう逃げようがないだろう。
一枚目ではどうしてもこっちを見てるとしかいいようがない。黒くて小さな偽瞳孔がこちらを見ているように見える。が、同時に別方向から見ても、そちら側に偽瞳孔が見えるので、やはりそちらも見ているように見えるわけで、つまりどこから見てもそちらを見返しているように見えるわけだ。捕食者としてこれは有利なのか考えると不利なような気がするが。
下はおまけのチョウセンカマキリオオカマキリほど大きくはないが、それでも大型で挑戦的なので、観察も撮影もいつもどきどきする。前脚付け根のオレンジ色がチョウセンカマキリの印。だがこれが角度的になかなか見えないことが多い。この写真は工夫して撮ったもの。私は何もしてませんが、何か?みたいな感じの悪びれない表情に見えた。
9月22日、新治市民の森にて
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2012.09.28

ヤマトシジミ@新治市民の森

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珍しい種が嫌いなわけではなく、もちろん興味があるのだが、情報をもとにわざわざ見に(撮影しに)出かけるのはどうかと思うことが多い。それは大勢のカメラマンとギャラリーを作り、同じような写真を撮るのがこっぱずかしいと思うからと、そもそも撮影機材がしょぼくてそういう場にいたくないからでもある。というわけで地元で普通種を観察し、その美しさを紹介できれば良しとすることにしている。
で、上はヤマトシジミシルビアでもタッパンでもなくヤマトシジミ♂。翅表の水色の輝きがあまりにも美しいと感じたので何枚も撮影した。どこでも見られる小さなチョウで目立たないが、実はこんなに綺麗なんだ。
下はクロコノマチョウ秋型♀。新治では良く見かける。とても大きなチョウであるが枯れ葉色・枯れ葉型をしていて、林内で静止する個体はなかなか見つけられない。飛ぶと目立つのだが、止まるとハタと見えなくなるのだ。が、この時は林縁の下草に止まったのを見逃さずに撮影出来た。実に渋い色合いの翅裏だが、金色の斑点があり美しい。前翅の頂の突出が大きいので♀。昭和48年発行のガイドでは、本州の分布は静岡県以西とあるが、今年発行の最新のガイドでは関東まで分布域が広がっている。
9月22日、新治市民の森にて
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2012.09.27

シロコブゾウムシ@新治市民の森

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土曜日は朝から寒く、これまでの真夏から一挙に秋に替わってしまったようだった。そのためか昆虫の出が悪く、特にトンボはほとんど見ることができなかった。このシロコブゾウムシとオジロアシナガゾウムシ、クロウリハムシあたりがこの日の甲虫のプアな収穫。二枚目で口をクローズアップしてみた。妙に独特の形をしている。翅鞘の後方に角状突起があるのでヒメシロコブではない。
下はおまけの不明種。白く小さな可憐な花が輪状に並んで咲いていてとてもかわいい。長くて白い雄しべ(?)が飛びだしている。花弁は4枚に見える。葉は対生で一段ごとに90度ずれてついている。残念なことにいまだに和名が不詳。
9月22日、新治市民の森にて
ハッカと判明しました。シソ科ハッカ属ハッカ。多謝>てまりさん。 9/28追記
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2012.09.26

ヒシバッタ@四季の森公園

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これは四季の森公園竹柵検索で見つけたヒシバッタ。ヒシバッタ科には「ヒシバッタ」という種は正確にはいない。広く分布する「ハラヒシバッタ」のことをヒシバッタと略称することが多いようだ。
このバッタは暗色の褐色をしており、背中だけが白っぽい。この部分は前胸背板(キール)という。ヒシバッタはこれが発達していて、前翅は退化して小さくて見えない。後翅は前胸背板を越えないものが多い。
この個体ではよく分からない。
また腹部先端に産卵器が見えないので♂と思われる。
ヒシバッタ科にはたくさんの種類があり、ハラヒシバッタなのかコバネヒシバッタなのかあるいは別の種なのか同定出来ないので取りあえずヒシバッタ♂としておく。
9月17日、四季の森公園にて
おまけで下は新治で9月22日に見たヒシバッタ。前胸背板の色が違うが、背板中ほどの同じ個所に暗色斑がある。
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2012.09.25

アカボシゴマダラの卵@四季の森公園

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9月17日の四季の森公園アカボシゴマダラが道端の若いエノキの辺りをはらはらと飛んでは止まり、少し移動してはまた止まるという行動をしていたのを発見した。これは産卵だなと直感したので、後でエノキの葉を何枚か裏返してチェックしてみたところ小さいけれど明らかに卵と分かる球体が見つかった。写真を拡大してみるとビーチボールあるいはスイカのようである。こうしてゲリラ放蝶されたアカボシゴマダラの末裔は延々と命をつないで行くのであろう。この個体に罪は無いが、従来から日本に生息していたゴマダラチョウやオオムラサキなどに影響がある。放蝶した人間には悪意と罪がある。ペットを含めて外来種の持ち込みを有効に阻止する方法はないものか。
下はおまけのセンチコガネ。この公園で見たのは初めてである。ただ、既に弱っていて動きが弱弱しく鈍かった。顔と顎のあたりが丸く特徴的である。
9月17日、四季の森公園にて
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2012.09.24

ヒナバッタ♀@鶴見川土手

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上のバッタはヒナバッタ♀。淡色から黒までの褐色でくっきりとした模様がある。枯れた草地での保護色だろう。二枚目の♂よりも一回り二回り大きかった。♂と♀でだいぶ見た目が違う。
バッタ類をより正確に観察するには捕獲して、翅の色を確かめたり腹部先端をチェックしたりする必要がある。この鶴見川土手には散策や犬の散歩やウォーキング、ジョギングやサイクリングなど一般人の人通りが多く、虫取り網をもったオヤジは非常に怪しい存在として目立ってしまうのでちょっと躊躇してしまう。新治でなら平気だと思うが。
下は、トノサマバッタ♀と思われる。ヒナバッタに比べてだいぶ大きい。
9月8日、鶴見川土手にて
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2012.09.23

エンマコオロギ♀@新治市民の森

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今回新調した図鑑では、「コオロギの仲間では前翅は右が上に来る」などの記述があり、ほお!なるほど!と感心したのだった。ところが新治市民の森で観察したこのエンマコオロギ♀はご覧の通り、左翅が上にかぶさっている。これが非常に例外的で珍しいのか、それとも良くあることなのか知りたいところ。それにはたくさんのコオロギを観察せねばならない。
コオロギは♂が前翅を擦り合わせて鳴くわけなので前翅の先端付近に網状部という部分があり、模様がある。♀にはこれが無くご覧のようにシンプルな翅をしている。
エンマコオロギのを苦労して撮影してみた。複眼以外の部分もつるつるして光っている。コオロギの前脚の脛節根元付近に鼓膜があるという。もしかすると矢印Aをつけた少し光っている部分かもしれない。
口のあたりにある3節からなる部分は小顎髭(なんと読むのかは不明だが、まさかショウアゴヒゲ?)というらしい(矢印B)。
(一応断わっておくが、二枚目の写真はコオロギを苦しめてはいない。この撮影の後、元気に撥ねて逃げて行った)
エンマコオロギはたくさんいたので、♂も撮影しておけばよかった。
下はおまけのヤマトシリアゲ夏型♂。良く見るのだがどういうわけか撮影したのは初めて。良く見ると長い口、上に巻き上げた腹部先端の武器っぽい鋏型の尾部付属器(トンボで言えば)が非常に特徴的。ん~、一言でいえばヘンな虫だ。
9月22日、新治市民の森にて
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2012.09.22

ナツアカネ@寺家ふるさと村

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寺家ではもちろんトンボも探した。湿った田んぼのイネの生え際や竹藪の中、谷戸上空など全般を探して回った。目的のトンボは見つからなかった。時間帯が違ったかもしれない。
上は少数が見られたナツアカネ♀竹柵検索をしていて見つけたわけではないが、竹柵で落ち着いていた。よーく見ると色合いがやや派手でかわいい感がある。胸や顔面まで赤く染まったナツアカネ♂を探したが見つからなかった。
下は田んぼ脇に垂れていたクズの茎に止まっていたネキトンボ成熟♂。クズの剛毛のあるつるの端をそっと引っ張って近寄せて右手だけでマクロ撮影した。
この日見つけたトンボは他にはシオカラトンボ、オオシオカラトンボ、マユタテアカネ、ヒメアカネ、オオアオイトトンボ、オニヤンマ、ギンヤンマ、ウスバキトンボだった。
9月15日、寺家ふるさと村にて
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2012.09.21

ハネナガイナゴ@寺家ふるさと村

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寺家の田んぼでは畔を歩く一歩ごとにたくさんのバッタが飛びだしてくる。その多くがこのイナゴだった。最初はコバネイナゴと思っていたが、眼から翅に続く暗色斑の色が薄いことが気になっていた。寺家ではあまり農薬を使っていない田んぼがあちこちにあるようで、こういうイネの害虫がたくさん生息しているのではないかと思う。
帰宅後に写真をチェックしたところ、翅が長い。腹部先端と後脚踵部がほぼ同じ位置であるが、コバネイナゴはその位置よりも翅が短い。この個体は翅が長く、その位置よりかなりはみ出している。野鳥でいえば初列の突出に該当するような感じだ。また暗色斑の頭部付近の色が薄い。というわけでハネナガイナゴ祝!初見
下は参考にしている図鑑。バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑。日本産のバッタ類の全種を羅列しているので調べにくいこと甚だしいが、慣れればなんとかなるかな。
9月15日、寺家ふるさと村にて
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2012.09.20

エンマコオロギ幼虫@寺家ふるさと村

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このコオロギは谷戸の奥地の畑にいたもの。丸く艶のある頭部からエンマコオロギと思ったが、良く見ると翅が短く幼虫。尾肢の間に産卵管があり、メス。短い翅は翅芽のようでトンボのヤゴになんとなく似ていると感じた。この姿からもう一度羽化するはずだが、一体どのようなものなのかとても気になる。羽化殻は見つかるのか、それとも食べてしまうのか。
下はおまけのヒカゲチョウ。薄暗い林内で見つけた。柔らかい色合いはかなり好みである。
9月15日、寺家ふるさと村にて
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2012.09.19

モリオカメコオロギ@寺家ふるさと村

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最近入手した図鑑の影響でバッタ類にも少し興味が湧いている。寺家(じけ)ではコオロギを撮影してみた。かなり暗めの場所、障害物の多い地面、すぐに逃げるという三重苦を克服してなんとか撮れた一枚が上。分かりにくいがこれは♂。腹部先端に左右に長く伸びるのが尾肢(びし)というらしい。♀は中央に長い産卵管がある。
頭部は黒く、淡色の縦筋が5本ほど見える。複眼の間に淡色の横線がある。触角は節が無く長い。胸部には不規則なまだら模様がある。翅は先端が細くなり、腹部先端にほぼ達する。これらの特徴からモリオカメコオロギ♂と思われる。祝!初見。ちなみに和名は「盛岡メ蟋蟀」ではなく、森オカメ蟋蟀。他に原オカメ蟋蟀というのもいる、
この図鑑にはコオロギだけで30種も掲載されていて、調べるのはけっこう大変だった。
下はおまけのメスグロヒョウモン♂
9月15日、寺家ふるさと村にて
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2012.09.18

マルバルコウソウ@鶴見川

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15日土曜日はまたまた寝坊したため、近場で我慢。寺家ふるさと村に行ってみた。その途中鶴見川サイクリングロードでコスモスに混じって上の美しい花が咲いていたので急ブレーキして撮影してみた。赤というよりは朱色の花から白い雄しべが覗いている。オシロイバナの一種かと思った。
帰宅後の調査によりマルバルコウソウと判明した。マルバルって何?最初にこの和名を眼にしたときに「マルバル」で切ってしまい、不思議な語感に戸惑ったのだ。正式には丸葉ル紅草(ルは漢字が出て来なかった)でヒルガオの仲間。
色とりどりのコスモスに混じって咲いていて素晴らしい光景だった。
二枚目は寺家ふるさと村のツリガネニンジン。田んぼの斜面で良く見られた。
下は寺家ふるさと村の光景。実った稲と色の濃い緑色の森の向こう側に真夏の空と雲が映えていた。時どき雷がごろごろ鳴りひやひやしたが、にわか雨には会わずに済んだ。
9月15日、鶴見川土手にて
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2012.09.17

ヒメアカネ@道志村

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昨日紹介した旧善之木小学校校庭にはミヤマアカネの他にヒメアカネもいた。こちらも♀。ミヤマアカネに比べて一回り小さく、翅には紋が無くが透明。長い産卵弁が少し見えている。朝からの雨で草が光っている。
下は道の駅どうしの裏の道志川で見かけたアキアカネ♀。そろそろ生まれ故郷の平地の水辺に帰ろうかなぁと迷っているように見えた。水平に止まっている。
他にはウスバキトンボがあちこちで乱舞していた。道志川では3年前に産卵を見かけたルリボシヤンマを探したが残念ながら見つからなかった。
9月14日、山梨県道志村にて
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2012.09.16

ミヤマアカネ@道志村

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9月14日、今年5回目の道志水源林ボランティアに参加してきた。通算47回目だった。今回は久しぶりに女性の参加者が4名ほどいてバス内はいつもより賑やかだった。残念ながらわが班は男ばかりだった。作業はみな慣れたもので、鋸の引き方も上手で、水平は水平に、斜めは斜めまっすぐにぶれずに、狙い通りに切ることができて、一本も係り樹になることなくうまく間伐出来た。今回の林分はテレビのケーブルが林内を通っており、これを切ると大変な損害を与えることになるというのでものすごく注意して伐倒した。
横浜は一日晴れだったそうだが、道志村の林内は雨、晴、曇の繰り返しで、かなり濡れた。大きな雲が移動していったようだ。水源地に雨が降るのは良いことだし、多少は気温も下がるのでよしとするしかない。作業開始時はかなり蒸し暑い感じだったが、午後はやや涼しく、2リットル近く持って行った水は1/4ほどしか消費しなかった。
さて作業後、旧善之木小学校の校庭の草原でバッタを探してみたところ、トンボが飛びだし、驚いた。ミヤマアカネだった。校庭の10cm程度の短い草の中に止まっていたのだ。水場からも遠いので、何故こんなところに?
これはミヤマアカネ♀。横顔をアップにしてみた。短い触角。一見、平らに思える翅も横から見ると凹凸があるのが分かる。
翅の一番前の脈は前縁脈といい、二番目が亜前縁脈で、これは下に凹んでいる。三番目は第一径脈で、これは上に突出している。というか、亜前縁脈が凹んでいるというのが正しいかな。トンボの翅は細かい凸凹によってその強度を保っているのだ。
下はミヤマアカネがいた校庭。作業に向かうボランティア達。自分もリュック、ヘルメット、作業着上下、スパイク地下足袋、両手には皮手袋、腰に大小の鋸を下げて作業地に向かった。こんなところにトンボがいるなんて思わないだろう。
9月14日、山梨県道志村にて
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2012.09.15

アジアイトトンボ産卵@北八朔公園

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イトトンボ類ではキイトトンボクロイトトンボを期待していたのだが見つからず、代わりに上の金色のイトトンボを見つけた。最初なんだか分からなかった。観察しているうちに産卵し始めた。
胸と腹の背側が金色に光輝いている。眼後紋は微妙に薄く水色で丸い。腹部第一節にもゴールドが到達している。アジアイトトンボ♀だ。アジアイトトンボってこんなに美しかったんだ。驚いた。その後♂タイプを一度だけ見かけたがそれだけだった。
9月9日、横浜市緑区北八朔公園にて
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2012.09.14

ウスバキトンボ休息@北八朔公園

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8月中ごろから鶴見川でもどこでもウスバキトンボの乱舞が良く見られるようになってきた。北八朔公園でもあちこちで見かけた。そのうちの一頭を双眼鏡でずっと追っていたところ、急に草藪に降りて消えてしまった。あやしい。これはあやしいぞ。双眼鏡でじっくり探すと、かなり低い位置に止まるウスバキトンボを見つけることができた。すぐに寄ると飛ばれそうなので5分ほど遠くから観察しながら待ち、長靴のお陰で通れる湿地をむしむしとゆっくり踏んで近づいた。どうやら落ち着いているらしく大接近して撮影させてくれた。
この個体は尾毛が長いので♀ではないだろうか。頭部のクローズアップを見るとトンボの頭部がほとんど巨大複眼に覆われていることが分かる。左右の複眼の間の上の部分を♂の尾部付属器で挟むのだろうと思う。
9月9日、北八朔公園にて
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2012.09.13

マルタンヤンマ産卵@北八朔公園

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北八朔公園の池を広く眺めているとシオカラトンボオオシオカラトンボチョウトンボショウジョウトンボなどに混じってギンヤンマが探雌飛行をしてくる。スピードが速めなので撮影をトライする気にならない。上空をオニヤンマが飛び、ぐるりと広く回ってから、林の日影の枯れ枝にぶら下がった。が、すぐにまた飛んでしまった。そうこうするうちに足元からふらっと中型のヤンマが飛立ち上空を旋回し始めた。翅が茶色。胸には黄色と茶色の太い筋がある。マルタンヤンマ♀だ。しばらく飛びまわるのを肉眼と双眼鏡で追う。すぐ頭上を飛んだりする。こういう場合、観察するのか撮影するのか判断が難しい。コンデジでの撮影は難しいので見続ける方が結果的に収穫は多いのでそうした。やがて手も眼も届かない辺りに飛んで行ってそれきり見えなくなってしまった。残念。
その後、池脇の木陰でギンヤンマの観察などしているうちにふとマルタンヤンマが飛んできて自分の脚元の疎な水草の根元に降りて行った。おお!産卵するつもりだ。撮影するか観察するか?位置が見えないが取りあえずは2枚だけ撮影したところで、もう飛びだして来た。それが上の写真。素晴らしいチャンスだったのに写っていたのはこれだけだった。
下はギンヤンマの連結産卵。ギンヤンマはペアのままで飛び回り、産卵もするのでおおらかな性格をしていると思う。
9月9日、横浜市緑区北八朔公園にて
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2012.09.12

ネキトンボ@北八朔公園

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北八朔公園の赤いトンボのもう一方がこのネキトンボ♂。このトンボの性格を一言で表すならば「先端フェチ」だろう。
写真は無いが、高い木のてっぺんが大好きだし、池でもご覧のように、とにかく葉の先端に好んで止まり、強度が足りずに落っこちそうになり止まり直すこともたびたびだった。
この性格を利用すれば、楽に捕獲できるのではないかなどと考えたが、そううまくはいかんのだろうな。
写真一枚目で分かるように、胸から腹部にかけて下側はかなり黒い脚も黒い複眼の下部は少し青い
9月9日、北八朔公園にて

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2012.09.11

ショウジョウトンボ@北八朔公園

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前日から日曜日にはどこへ行こうか、あれこれ考えていた。多摩川源流域、鶴見川源流域、箱根、酒匂川、三浦半島、裏高尾とかいろいろ妄想したのだが考えがまとまらないままに眠ってしまい、そのまま爆睡して、なんと大朝寝坊してしまった。秋の花粉症がピークを迎えていることもあってそのお薬の影響もあるだろう。
そういうわけでせっかくの日曜日は近場で我慢することにし、北八朔公園に行ってきた。
しかし、あまりにも暑く、気力が続かず、また蚊にも刺されて早く帰れと急かされたため昼過ぎには帰宅した。
今日のトンボはショウジョウトンボ。北八朔公園の池で避暑から帰ってくるアカトンボ類を探したが、さすがにこの暑さではまだ帰ってきてないようだった。アカトンボではないが夏の赤いトンボの代表格がショウジョウトンボ。
上の♂個体は翅がぼろぼろになっていて厳しいひと夏を生き延びていたことを物語る。
二枚目は別個体で、こちらは未だ翅が比較的綺麗である。
下は公園の一番奥の枯れ木のてっぺんでオベリスク姿勢をとっている赤トンボ♀を一頭だけ見つけたもので、ナツアカネアキアカネと思われるがはっきりしない。北八朔公園はまだまだ夏の盛りで、秋はもう少し先のようだった。
9月9日、横浜市緑区北八朔公園にて
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2012.09.10

アメリカミズアブ@鶴見川

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鶴見川土手の農地脇の繁みをチェックしていたら、微妙に不細工なアブ?を発見した。良く見ると大きな複眼に暗色の斑模様があり、一見不気味でもある。アメリカミズアブ♀祝!初見
アメリカミズアブは一般には害虫とされており、農地や牛舎、ブタ小屋などで大量発生するようだ。たしかにここは東本郷農業専用地の一角なので近所で発生したものだろう。嫌われているんだろうな。農業者に。
それはそれとして、普段、行くことのないような場所には、ふだん眼にしない昆虫がいるということだ。
9月8日、鶴見川にて
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2012.09.09

カルガモ幼鳥@鶴見川

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土曜日も午前中やぼ用のため、朝一番で鶴見川ビオトープをチェックして(収穫ゼロだった)朝食後に鶴見川にバッタを探しに行っただけだった。
久しぶりに長靴で鶴見川に入るとちょっと気持ちよかった。
川にはカルガモが5羽ほどおり、しぐさを見ていると幼鳥らしさが見えた。どれか一羽が母親と思われるが分からなった。ま、今年生まれの子供が大人と見分けがつかないほどまでに育ったということだ。
上の手前の個体と下のカルガモは同じ個体であるが、嘴を開けて間抜けそうな表情である。それとも暑いので息が上がっているのか。犬みたいに。
野鳥では他に、イソシギ、コサギ、アオサギ、カワウ、スズメ、ヒヨドリ、カワラヒワ、オナガ、ハシブトガラスなどが見られた。
9月8日、鶴見川にて
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2012.09.08

BEFORE I GO TO SLEEP by S J Watson

R0079411 麻薬戦争ものに疲れたので、ちょっと文学っぽいものを選んでみた。BEFORE I GO TO SLEEP だ。眠りに就く前に。

人生ってなんだろうと思うことがこれまでも何度かあった(人並みに)。これまでで一番しっくりきたその答えは「人生は時間だ」というもの。あなたの人生はあと25年です。あなたは75年の人生のうち貴重な24時間を今日無駄にしましたね。とか。
だが、この本を読んで人生は時間だけじゃないと分かった。より正確には経験と記憶を積み重ねた時間である。
主人公は特殊な記憶喪失を患う中年女性。毎朝起きると、若い時以降昨日までの記憶をすべて失った状態になっているのだ。眼がさめると見知らぬ部屋のベッドにいて、隣には見知らぬ男が寝ている。ここはどこ?あなたは誰?そして鏡に映る自分を見て私は誰?
彼女には自分の人生が無いのだ。自分の過去を取り戻そうと一日努力し、少しずつ自分の人生の謎を晴らして行く。しかし、夜寝て朝起きるとそれらもすべて失われている。
そして、これが毎朝続くのだ。だから「眠りに就く前に」なのだ。

登場人物も少なく、難しい単語も表現も無く、非常にシンプルな英語で書かれていて読みやすいことこの上無し。ただ、楽しめたかという点では残念ながら評価は低くなる。読み終えての正直な印象は「え~?結局これってスリラーだったの?」だ。
※これでSATORI以降滞っていたペーパーバックの紹介が追いついてやっとひと段落した。

BEFORE I GO TO SLEEP by S J Watson
8/2
3-9/5
2012#11
ratings:15 (5,3,4,3)
372 pages
Pulished by Black Swan Books, Limited (2012/1/1)
ISBN:978-0552164139
GBP 7.99
JPY 844 (amazon.co.jp)

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2012.09.07

ハスの花@箱根

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R0081907
2週間前の記録からのご紹介。
仙石原の湿原ではハスの花が美しく咲いていた。前日に四季の森公園でもハスの花を見たのだが、残念ながら閉じていたので、箱根で開いているのが見れてうれしかった。ハスというのは「蜂の巣」が転じたものだそうだ。一枚目の写真で花の中央部のレンコンっぽいところが蜂の巣かな。仙石原では普段目にすることのない湿原の植物がたくさん見られたが、やはり昆虫メインのため植物はよほど目についたものしか撮影できなかった。下は台ヶ岳をバックにコオニユリの花。背景に見えるうす紫の花穂はヒメトラノオ
8月19日、箱根仙石原にて
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2012.09.06

ARES GPS その後

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8月17日 日産スタジアム外周1階(ほとんど電波の届かない場所)

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8月11日 日産スタジアム外周1階(ほとんど電波の届かない場所)

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9月2日 日産スタジアム外周2階(1階よりは電波が少し届く場所)

長年愛用してきたセイコパルスグラフの寿命によって今年春から使い始めたトランステクノロジー社のARES GPS AR-2080ORC(8時間、Edy非対応、ハートレートモニター対応モデル) であるが、数ヶ月使ってみた感想をまとめたい。
まずは全般として、ラン用ウォッチとしてうまく機能するし専用ソフトでデータ管理も出来るし、ほぼ満足できる製品であることは言える。その上で気づいたことがいくつかあるので羅列してみよう。本製品に興味のある方の参考になれば幸いである。ちなみにこちらがファーストインプレッション

GPS機能をOFFにしてラップタイムのみ記録したデータがPCに残せないのはいかがなものか?せっかくのデータを失って悲しかった。夏の日影のランコースが上のニッサンスタジアム外周なのだが、電波が届かないので、オートラップを外して、手動ラップで一周ごとのタイムをとったのだ。残せて当然だろ。

充電および、PCにコネクトする際、ウォッチ本体を挟み込むグリップのつけ方が何度やっても慣れない

オートストップが無いので、信号待ちで止まった時にいちいちボタン操作をしなければならないのが面倒。リスタート時にボタン操作を忘れることもあり、何度も記録をロストしてしまった。

胸につける心拍センサーがときどきずれてきて収まりが悪い時がある。その際はウェアの脇の部分を摘まんで調整するわけだがヘンな話だがブラ(!?)の位置を調整するような感じになりなんとも妙に気恥かしい

心拍センサーのベルトは汗でぐっしょりになるので毎回洗って干しているが、ゴムの劣化が早そうで気になる

心拍センサー内にボタン電池が入っているはずだが、その電力消費が気になる。ARES本体をストップし、データをSAVEすると心拍計内もOFFになると思われるが、なんらかの原因でそのタイミングをキャッチ出来ないと延々と心拍をとっては送り続けるような気がして、次回スタート時にバッテリー切れになっていないか毎回ちょっと心配である。

ニッサンスタジアム外周路の一階はほとんど空が見えないコースなのでGPS衛星をキャッチ出来ないかと思っていたが、全然出来ないのではなく、何箇所かではキャッチ出来たようだ。ただ、一周のうち数か所しか電波をとれないのでご覧のように酷いデータとなる。また、時間によってGPS衛星群の位置が刻々と変わるので電波をキャッチ出来る位置もそれによって変わる。
上の写真2枚は外周1階(それぞれ10周ほど)、3枚目は外周2階(2周)なのでややマシではあるが相当ずれている。外周4階を次回走ってみたい。もっとマシになるはずだ。実際のランコースは外周の真円である。★断わっておくが、この製品をけなしているつもりは全くない。電波が届かない場所ではどんな製品でも同じはずだから。電波の届く場所では若干の誤差を持ってほぼ正確にトレースしてくれる。ただ、グーグルの地図自体にも若干のズレがあるようだ。

電波をキャッチ出来てない状態ではスタート出来ないことが分かって大変焦った。追記、手動ラップもゴールもできない。

本体は3気圧までの防水なのでラン後、なにも気にすることなくじゃぶじゃぶ洗うことができる。パルスグラフはとても慎重に汗の手入れをしていたのでとてもラクである。

なお、このARESはトランステクノロジー社の直販サイトTTDirect(ちょうど決算セールをやっていて安くなっている!)、楽天、アマゾンなどで購入可能だが、店によっては品切れ状態が多いようだ。

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2012.09.05

ヤマアカガエル@道志村

R0082545
9月最初の週末は自然観察に出ることが出来なかったため、金曜日の道志村での観察から。
間伐作業地の林床で見つけたのはヤマアカガエル。今年はあまりカエル類を見てないので嬉しかった。水場からは遠い場所だったのにどこからやってきたのだろうか?それにしても飛躍力がすばらしく、この一枚を撮影直後に後ろ向きに1mほど飛んで、あっという間に視界から消え失せてしまった。
二枚目はご存じツリフネソウ。林脇の日影で咲いていた。植物では他にフシグロセンノウが咲いていたり、ツチアケビの茎だけ残っていたのを観察できた。
下はアオハナムグリコアオハナムグリよりは一回り大きく、顔が銅金色をしていた。とても神経質で2枚撮ったところであっさり飛んで行ってしまい茫然としてしまった。
8月31日、山梨県道志村にて
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2012.09.04

鶴見川ビオトープ調査報告2010

2010

鶴見川にある小さな水たまりを見つけ、鶴見川ビオトープと勝手に称して4年。今年は数回しか観察に行っていないが、順調にギンヤンマを多産していることは確認している。ここを毎週チェックしていたのが2010年のこと。その時の貴重なデータをまだ発表してなかったことに気づき、今回紹介したい。ま、2年遅れの夏休みの自由研究といったところか。
2010年はトンボ成虫が見られるわけもない2月6日から始め、最後は11月6日まで、31回の調査を行っている。毎週土曜日の早朝だった。
調べたのは主にギンヤンマの羽化殻回収であるが、他の種類も回収している。ただ、多数が羽化しているはずのイトトンボ類の羽化殻は見つけていない。ヤンマ類の羽化殻は産卵管の有無によるオスメスの識別をした。また現地での観察によりトンボ成虫も記録している。
ギンヤンマの羽化殻は強い雨が降らなければ数日から一週間程度はそのまま残っていると思われる。ただ、定位の場所によっては水に落ちたりするものもあると思われるし、雨風があれば落ちてしまうものが多いと思われる。また毎回ビオトープの隅々までチェックできたわけでもないので、回収できたのは全体の半分程度ぐらいかもしれない
回収できた羽化殻は合計でギンヤンマ851個、クロスジギンヤンマ11個、マルタンヤンマ51個などである。したがってこれの倍ぐらいが羽化していった可能性がある。

観察したトンボ:
ギンヤンマ、クロスジギンヤンマ、マルタンヤンマ、シオカラトンボ、アキアカネ、ウスバキトンボ、アジアイトトンボ、ヨツボシトンボ、ショウジョウトンボ、オオシオカラトンボ

発生時期:
上が羽化殻回収数のグラフである。ギンヤンマは5月から8月にかけて長い期間に多数が羽化している。クロスジギンヤマは4月後半を中心に短い時期に少数が羽化している。マルタンヤンマは6月から7月にかけて少数が羽化している。ウスバキトンボは10月に羽化していることが見て取れる。ギンヤンマは春に羽化した個体が産んだ卵による2化めの個体が夏から秋にかけて羽化しているといわれているが、グラフで見ると8月中旬以降に激減したあと再び増えているのがそういう2化めの羽化かもしれない。2化についてはサイズが若干小さいという説もあるので羽化殻のサイズまで測れば裏付けられるかもしれない。

このビオトープは自分以外には一人しか場所を知らない。小さな水たまりなので環境の変化により水量が減ってヤゴが全滅したかと思ったこともあった。また毎年ヒメガマの勢いが旺盛になり今後も同様の環境をヤゴに提供できるかどうかもわからない。しかし、人知れずギンヤンマを1000頭も産する環境は横浜市では貴重なはず。今後も危機感を持って見つめていきたい。

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2012.09.03

アシグロツユムシ幼虫@道志村

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山梨県道志村の林縁で上のバッタを見つけた。産卵管が上向きにぐっと曲がり、脚が黒い、触角は長く白い点が何箇所かに見える。翅が短いのが幼虫のしるし。上の特徴からアシグロツユムシ♀幼虫と思われる。腹部先端の産卵管の両脇に白い角のようなものがあり、トンボでいえば尾毛に当たるのだろうか。この幼虫が成虫になるには羽化するわけだが、細い触角や翅、長い脚など含めてどのような姿で羽化するのか非常に興味がある。なお、成虫の姿はこちら
下はミヤマフキバッタ。これも翅が短いがこれで成虫。どこででも見かける。左手におとなしく収まってくれた。
一番下はクルマバッタモドキと思う。最近甲虫を見る機会が少なく、バッタ類ばかり目に付く。8月31日、山梨県道志村にて
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2012.09.02

シラキトビナナフシ@道志村

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8月末日、今年4回目の道志水源林ボランティア活動に行ってきた。ものすごく暑くてヘトヘトになった。持って行った水はいつもより多めでバイク用ボトルに500ml+ペットボトルのお茶が1000mlだったが作業終了時にはほとんど残らなかった。今年は雨による作業中止が多かったので、この日は思い切り作業出来たのは良かったが、それにしても疲れた。
午前中の作業中に聞いたことのないハルゼミ類っぽい鳴き声がずっと聞こえていたが、いつの間にか鳴きやんでいて、その後は一度も聞こえなかった。スギ・ヒノキの幹の10m以上の高い位置で鳴いていたので双眼鏡で探したが見つからなかった。ちょっと残念。
さて、昼休みのちょい散策で見つけたのがホオノキ(写真下)。このホオノキは道の下から生えていて、いつもは手の届かない巨大な葉に林道からちょうど手が届く位置関係にあった。さっそくチェックするとナナフシが乗っていた。大きくはない(全長50mm程度)。翅があり頭部が丸い。あ!これトビナナフシかもと思った。触角は細く長い。胸部や翅に褐色があり、成虫らしい。トンボと同様に腹節を数えると9節しか見えない。第一腹節は小さく見えないのかもしれない。前脚の腿節は頭部のカーブに合わせてカーブしており、その基部が黄色い。複眼は水平に筋があり、黄色と褐色の層をなして見える。そっと捕獲し左手に乗せても大人しくしてくれたので右手で撮影した。後から思うに、地面に置いて翅を広げたところを撮影しておきたかった。シラキトビナナフシと思われる。
8月31日、山梨県道志村にて
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2012.09.01

THE POWER of the DOG by Don Winslow

R0072946 あるモノを産する土地があり、別の場所にそれを強く欲する人々がいる。

原油しかり、ダイヤモンドしかり、金しかり、レアアースしかり。
そこにはニーズとシーズがあり、モノはその傾斜に沿って移動し、対価が逆に還流する。これは、コーヒーカップの中に落としたミルクの水滴がやがて拡散するように、車の排ガスがやがて大気中に拡散するような自然現象にも似ている。
が、しかしモノの移動と対価の逆流には人の力、組織の力が必要であり、それは産業というものだ。
ただ、モノが麻薬の場合はウラ産業。だが、産業であることには変わりない。つまり、生産、輸送、販売、回収があるということだ。麻薬の場合は、生産が栽培、収穫、精製ということになる。最初に書いたように、強く欲する人々がいるだけに、いかに使用・所持・販売・密輸入などを禁止したところで、水が高いところから低いところに流れるのを止められないように、人は抜け道を探して、あるいは抜け道を作ってモノを持ち込もうとする。水の漏れないダムを作ることができたとしても、欲望をダムでせき止めることは困難だ。
どうしても麻薬を欲してしまう強い力。麻薬産業で儲けようとする強い力。麻薬業界内の競争相手を排除してさらに儲けようとする強い力。警察や政府機関、司法機関まで買収して麻薬産業を守ろうとする強い力。取り締まる勢力に対抗する強い力.....それが

THE POWER of the DOG

コカインを産する以外にこれといった産業がない貧しい地域、中南米。そこからメキシコを経てアメリカ合衆国に流れ込むコカイン。この麻薬産業の内情をなまなましく詳細にショッキングに描いたのがこの小説であり、30年に渡る凄まじい暴力の応酬に彩られながら脈々と永続し続ける麻薬の流れを描いた大河小説といえよう。登場人物の生い立ちから背景まで生々しく描き、大変な力作・労作であるが、正直言ってちょっと辛かった。おもしろいのだが、楽しんでいいのかどうか。舞台のひとつガダラハラを調べていたら、本書の内容そのままが現実にも起こっていることが分かりぞっとしたこんな記事もあった。 アメリカvs麻薬カルテルものを連続して読んでちょっと疲れた。

THE POWER of the DOG by Don Winslow
7/23-8/22
2012#10
ratings:20 (5,5,5,5)
542 pages
Pulished by Arrow Books (2006/5/1 )
ISBN:978-0099464983
GBP $7.99
JPY 995 (amazon.co.jp)

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