2015.05.30

The Eagle has Landed by Jack Higgins

TheeaglehaslandedThe Eagle has Landed.鷲は舞い降りた。まずこのフレーズにしびれるではないか。過去の記録を調べたが、驚いたことにまだ読んでなかった。冒険小説読みとしてこれは如何なものか?
前作のEye of the Needle「針の眼」に続いて、伝説的名作を読んだ。時代背景も舞台も同じ。第二次世界大戦中のイギリスだ。戦況が不利に傾いてきたドイツ軍はイタリアからムッソリーニを救出したのと同様に、今度はイギリスからチャーチルを拉致する大胆な作戦を計画するという話である。
敵味方。倫理的な良し悪しなどは論外。プロの男、女による具体的な仕事が詳細に描かれ、準備小説とも言える。お上からの荒唐無稽な計画。手に入る限りの情報を集め、綿密な計画を練る。手に入る範囲から最高の素材を選んで召集し任務とモチベーションを与える。必要な箇所に人員を配置する。駒の配置が終われば後は、天候やその他の状況に応じて各人が最適な判断をしながら任務遂行に励むのみ。最初はどう考えても無理だろうと感じていたのが、やがて、これはうまくいくはずと思うようになり、しかし、いろいろな事情が発生するたびにこれはまずいかもと思い始めたりして、作戦遂行側のドイツに思い入れをしながらわくわくどきどき読み進めた。いくつかの止むを得ぬ偶然が重なり作戦が破綻にむかい、終盤は戦闘シーンがさく裂する。良き男やよき女が悲しい週末を迎える。
物語の構造的には、環境があり、根っこがあり、幹があり、太い枝が何本かあり、枝葉がたくさん繁った大木のように思えた。これがほぼストレートに語られ、シンプルで読みやすかった。ど真ん中剛速球の冒険小説として楽しめたが意味合い的には戦争の悲しさ空しさが描かれていたように感じる。りっぱな樹なのに途中からねじれてしまうと枝葉が隣の樹にぶつかってしまうという図が見えた。蛇足だが、現場が野鳥の楽園であり、バードウォッチング趣味の兵士が登場したり、アオアシシギがうんぬんなどと描かれ、イギリスが当時から野鳥観察の先進国であったことを感じられた。

※kindle版が販売されていなかったので久しぶりにペーパーバックで読んだ。不明単語を指押ししようとする癖がついていて、あーこの技は使えないのかぁと何度も落胆しながらの読書だった。

The Eagle has Landed by Jack Higgins
2015-#5
5/7-5/28
rating 20 stars (5,5,5,5)
Print length: 368 pages
Publisher: Berkley; Reissue (2000/6/12)
Language: English
ISBN-10: 0425177181
ISBN-13: 978-0425177181
JPY 964 (Masmarket amazon.co.jp)

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2014.01.25

The Fraternity of the stone by David Morrell

Fraternityofthestone ランボーに引き続いてマレルの作品"The Fraternity of the stone"を読んでみた。もちろんkindleで。邦訳文庫「石の結社」を前世紀に読んだ記録と微かな記憶があるので既読本の原書再読というやつだ。
ほぼ監獄と同様の超禁欲的な修道院で修業を積む主人公ドルー。俗世間とは完全に隔離されて祈りと労働の日々を送る。他人と接することもなく、神と自己のみが存在する。ただ唯一の友は部屋に住み着いたネズミ一匹。
ところがある日突然、テロリストに襲撃され全員毒殺される。ネズミのおかげで奇跡的にひとり助かった主人公の逃亡劇が始まる。超人的な危機回避能力はいったいなぜなのか?そもそも彼はなぜそんな修道院に入ったのか?彼の過去が徐々に明らかになる。子供時代を終戦直後の日本で過ごしたドルーの悲劇的な経験。眼の前で両親を爆殺されたのだ。トラウマを抱えながら育ったドルーが選んだのは秘密組織スカルペルだった。スパイや暗殺の技を仕込まれ、大義のために暗殺をする。しかし、何度目かの仕事中、被害者の姿に幼い自分自身の姿を見つけ、足を洗ったのだった。
逃亡から逆に相手を追い、プロ対プロの戦いとなってゆく。圧巻は完全な暗闇の部屋での戦いのシーンだろう。お互いに位置を知られないためにまったく音を立てずに少しずつ移動し、ほんの微かな吸気音から相手の位置を推測する。息をするのもためらわれるような緊迫感を持って読み進めるとこちらが窒息しそうになっていた。ここで思い浮かべたのが「レッドオクトーバーを追え」に出てくる米ソの潜水艦どうしの戦い方だ。当方の位置を知られずに相手の位置を特定するわけだが、これが虚々実々の探り合い、騙し合いである。非情な暗殺のプロを描いて読み応えがあり、好きな人にはたまらないだろう。ラドラムの暗殺者と似た雰囲気の作品である。

The Fraternity of the stone by David Morrell
2014-#1
11/27-1/8
rating 20 stars (5,5,5,5)
File length: 612kb
Print length:448 pages
Page Numbers Sourse ISBN-13: 978-0449209738
Publisher: Ballantine Books; Reprint版 (2003/12/2)
Sold by:Amazon Services International, Inc.
Text-to-Speech: Enabled
ASIN: B0057AE9LE
USD 4.56 (Kindle edition amazon.com)
JPY 880 (Mass Market Paperback amazon.co.jp)
JPY 475 (Kindle edition amazon.co.jp)

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2013.04.27

A Textbook Case by Jeffery Deaver

Atextbookcase THE KILL ROOM が出る前にディーバーの新作が出ていた。A Textbook Case という短編だ。188円という激安価格Kindle版が出ていたので迷わずにクリックしてしまった。
リンカーンライムシリーズの犯罪捜査もので、ただちょっとばかし短いだけ。Jeffery Deaverのサイトはこちら
ライムは元NYPDの捜査官で、捜査中の事故により四肢不自由となり、寝たきりの身になって引退するが、科学技術を駆使してNYPDの外部コンサルタントとして実質的に各種捜査にかかわっている身である。ガスクロマトグラフィーによる証拠品の成分分析と膨大な脳内DBによって犯人につながる微細な証拠を探し出してゆく。
これまでのライムシリーズでは物的証拠をまったく残さない、あるいはわざと偽の証拠を現場に残してゆくずる賢い犯人との戦いがメインだったが今回は逆で、あまりにも多くの物証をわざと残すことで捜査を混乱させ追手から逃れようという新しいパターンの犯人の出現である。
さてタイトルのtextbookとは、彼が著した 'A Comprehensive Guide to Evidence Collection and Analysis'のことである。捜査が進むにつれ、ライムやサックスをはじめとする捜査陣は、従来の捜査手法では追いつかないという深刻な事態に気付き始める。何故か?犯人はこちらのやり方を心得ているのか?なぜそういうことが可能なのか?そこでライムは自分の著書が2万部も売れていたことに気付くのだった。読者のほとんどは警察関係者であろうが、一般にも販売されているので、犯人がこれを読んだ可能性がある。というわけで別の観点から新たな捜査が始まる.....
短編なのであっさりした終わり方で彼お得意のtwistは発揮されないが、証拠主義ではなくふだん彼の嫌うプロファイリング手法を使ったのつかわないのというtwistで最後を締めていた。全体にまぁまぁ楽しむことが出来た。このアイデアで長編を一冊ものすということも出来るであろうが、そんな時間は勿体ないので短編で出したとなると、まだまだライムシリーズも終わっていないのかもしれない。
THE KILL ROOMはアメリカとカナダでは6月4日、イギリスでは6月20日に発売される。Kindle版はいつになるのか楽しみである。

A Textbook Case by Jeffery Deaver
2013-#9
4/12-4/15
rating 18 stars (5,4,4,5)
Published by Hodder & Stoughton (2013/4/11)
ASIN:B00BMUVT2K
USD 2.22 (Kindle edition amazon.com)
JPY 188 (Kindle edition amazon.co.jp)

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2013.04.21

The Old Man and the Sea by Ernest Hemingway

Theoldmanandthese アーチャーのBest Kept Secret を読み終える直前、次に読む本が無いことに気付き、アマゾンをざっと見て購入したのがヘミングウェイのこの作品。なんと100円。さっとダウンロードして即座に読み始めることができるのがKindleの良いところ。有名な小説ではあるが、たぶん読んだことはない。
キューバの老漁師が一人で巨大なカジキマグロを釣り上げるという話であるが、先日読んだLIFE OF PIに似た雰囲気があった。老漁師と少年、獲物となる巨大なカジキ、それを台無しにするサメ、かれらのヒーローである大リーグヤンキースのジョー・ディマジオ(漁師の息子)、それと最後のシーンの旅行者ぐらいしか登場人物はいない単純なストーリーであるが、釣る側男と釣られる魚の間で命を懸けて交わされる糸を介した対話が読みどころだった。長編には短く、短編としては長く、中編ぐらいだろうか。長編ばかり読んでいる自分としては中途半端な長さだった。
ノーベル賞受賞作家の文学作品を大衆エンターテインメント小説と同列で評価するのも失礼なような気もするが、そういう意識は逆に最近の作家には失礼かもしれない。失礼というのはリスペクトの度合いが足りないということだろう。そしてノーベル賞という権威に対するリスペクトとの比較でもある。自分としてはわくわくどきどきするような心躍る小説が読みたいだけなので、そもそも権威は評価軸にはないので、気にせずに評価してみた。
・読み易さ:5
・面白さ:3
・量的満足:4
・C/P:5
合計17★としたい。
蛇足ではあるが、ペーパーバックの上の表紙は荒れ狂う海のようだが、小説の中にそのようなシーンは全くないので、そぐわない違和感が大である。

The Old Man and the Sea by Ernest Hemingway
2013-#8
4/8-4/12
rating 17 stars (5,3,4,5)
132 pages
Published by Green Light (2012/5/8)
ISBN:978-0099908401
ASIN:B0081V4R72
JPY 909 (Paperback amazon.co.jp)
JPY 100 (Kindle version amazon.co.jp)

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2013.04.13

BEST KEPT SECRET by JEFFREY ARCHER

Bks これまで自分が読んでいたペーパーバックやKindle本は出版後、かなり経った作品であるが、今回は違う。出版された直後だ。ハードカバーとKindle版が出ていて、ペーパーバックは9月予定だ。そういうわけでKindle版と言えども安くなかった。秋にかけて安くなってゆくものと思われる。

以下ネタばれ注意。
亡き父親の爵位を相続するのはガイルズかハリーかという世紀の審判が下り、ハリーはエマと結婚することが許される。ガイルズは邪悪な政敵になんとか競り勝って議席を保ち、ハリーは刑務所での生活をものした著書がベストセラーになる。アメリカで著作をベストセラーにするためのキャンペーンで女性プロモーターに連れられて全米各地を回るくだりが妙に笑えた。選挙運動の描写も含めてここらあたりはアーチャー自身の経験が生きていると思う。順風満帆のハリー一族であるが、今回の波乱要因はガイルズの結婚相手とハリーの息子セバスチャンである。悪い女に後々まで祟られたり、若い息子が悪い奴らに利用されて大事件になる。この作品ではこうした小事件が次々に起こり、読者の興味をそそり、面白く読めるのではあるが、だんだん安っぽくなってきた感がする。お気楽小説という印象が強くなってきた。そういうわけで評価は4★としておく、それから、これまで何故か誤解していたがこのクリフトンシリ-ズはまだまだ続くようである。もう発売直後に飛びつくことはないだろうが、いずれは読むことになるだろう。しかし、前の2作でも同様だったが、終わり方が唐突で、あまりにも読者をバカにしていると思うpout

★ディーバーの新作が出るそうだ。6月20日発売でハードカバーとペーパーバックが同時の模様。キンドル版は情報なし。
The Kill Room
リンカーンライムシリーズの第10作目という。四肢麻痺の天才科学捜査エージェントのライムはめずらしくNYを離れるようだ。。

BEST KEPT SECRET by JEFFREY ARCHER
2013-#7
3/21-4/8
rating 18 stars (5,4,5,4)
482 pages
Published by Pan Macmillan (2013/3/14)
ISBN:978-1447231103
ASIN:B00AKFG15S
USD 27.99 (Hardcover version amazon.com)
JPY 952 (Kindle version amazon.co.jp)

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2013.03.29

LIFE OF PI by YANN MARTEL

Life_of_pi ニューヨークタイムズのベストセラーリストのPAPERBACK TRADE FICTIONの一位(3月26日現在)を占めているのが"LIFE OF PI"である。最近映画も上映されているようなのでご存じの方も多かろうかと思う。
こういう文学的香りのする作品は自分としてはあまり性に合わないのだが、今回はアマゾンでとても安く(Kindle洋書では価格が異様な動きをすることがよくあるようだ)手に入ったのでKindle#4として読んでみた。
予想以上に難しい単語が多く、普通のペーパーバックだったら、前半で投げ出していたかもしれない。だがそこはKindle、不明単語は即座に調べられるという利点を生かしてぐいぐい読むことが出来た。
インドの上流階級の少年がカナダに家族で移住する際に乗った日本の貨物船が沈没し、救命ボートにトラと乗り合わせてどう生き延びるか?という話。主人公はPIと自称しているが、これは本名"Piscine Molitor Patel"があまりにも分かりにくく、発音もしにくいための略称である。前半はイスラム教、キリスト教、ヒンズー教に親しむ、聡明な少年の生活が語られる。彼の家族は動物園を経営しているのだ。彼はベジタリアン。
そしてカナダへの移住のたびの途中、原因は不明のまま太平洋で沈没する貨物船。生き残ったのはシマウマ、ハイエナ、オランウータン、ヒト(主人公)そして、ベンガルトラだ。ボートには水と食料が蓄えられていたが、量は限られている。それよりも何よりもとにかく、猛獣から身を守り生き延びてゆくことができるのか?スリリングなサバイバル生活が始まる。凄惨な場面もあり、ファンタジー的場面ありで、ドキドキしながら読み進めることが出来た。最後に日本人による船の沈没事故の調査でPIへの事情聴取が行われるが、これは蛇足だったのではないかと思う。自分としてはこの小説はファンタジーであるととらえたい。機会があれば映画も見てみたい気もする。
ペーパーバック初心者にはおすすめできない。これは宗教関係や、動物関係の難しい単語が頻出してとても読みづらいからだ。だがKindleで読むのならおすすめである。

LIFE OF PI by YANN MARTEL
2013-#6
3/1-3/19
rating 17 stars (4,3,5,5)
482 pages
Published by Canongate Books (2002/5/9)
ISBN:978-0857865540
ASIN:B002RI9UBS
USD 8.77 (Paperback version amazon.com)
JPY 378 (Kindle version amazon.co.jp)

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2013.03.16

ONCE A SPY by KEITH THOMSON

Once_a_spy Kindle で読む洋書の5冊目である。ずいぶん慣れて以前よりは快適な読書生活をおくっている。しかし、振り返るとな~んか、物足りない思いが残るのだ。ちゃんと読めているし、リアルタイムに辞書も使えているので以前よりは理解度は上がったはずだ。なのに、なんだろう?このいまいち感は。
電車で吊革につかまった状態で片手で苦労してペーパーバックを持って読む不自由さ。ページを繰るのは片手ではできないので、ほんの数秒ではあるが吊革から手を放すと、たまたまその瞬間に電車が揺れてバランスを崩すこととか。こうした苦労をわざわざしても十分なお釣りの来る読書を楽しめる幸福感。電車を降りるときに読み終えたページに栞を挟むときの「ここまで読んだ」という小さな達成感あるいは進捗感。読み始めるときに本の厚さを見て、あと5分の1しか残ってない寂しい感じ。黄色い表紙があと一週間ぐらいで読み終えそうなとき、積本が無いときの「アマゾンで適切な作品を選んで注文し、宅配便で段ボール箱が届くのが間に合うか?」という焦り。読み終えたPBを本棚の上にすでに積み上がっている山の上にのせるときの「お蔵入り感」。
こうしたいろんな気持ちの源泉となるモノとしてのPBの存在感がKindleで感じられなくなったことに対するノスタルジーのようなものかもしれない。これも時代の進化に伴うトレードオフではある。
この作品は最近よくある「突然の巻き込まれ型」サスペンスである。自分の父親が実は腕利きのスパイだったということ、そして今はアルツハイマー病にかかっていて、時々にしか正常に戻らない。ある意味ハチャメチャな逃亡劇で、しかも話がどんどん大きくなってゆく。時折父が見せるスーパーマン的な活躍のおかげでなんとか生き延びるふたり。おもしろいと言えば面白いし、楽しめたが、古典にはなりえないB級お手軽ペーパーバック向け小説といいうのが自分としての評価かな。
★なんとこの続編が出ていた。タイトルからすると文字通りの続編らしい。Twice A Spy だと。たぶん、手は出さないな。

Once A Spy by Keith Thomson
2013/2/7-3/1
2013-#5
rating 18 stars (5,3,5,5)
480 pages
Published by Anchor (2011/1/25)
ISBN:978-0307473141
ASIN:B0036S4BOO
USD 7.99 (paperback amazon.co.jp)
JPY 779 (paperback amazon.co.jp)
JPY 722 (Kindle version amazon.co.jp)
JPY 1240 ぼくを忘れたスパイ(上・下)新潮文庫

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2013.02.23

Red Dragon by Thomas Harris

Reddragon トマスハリスによるサイコスリラー「ハンニバルレクター」シリーズの第一作。とはいえ、主人公はレクター博士ではない。顔の一部が奇形(先天性口唇口蓋裂)で生まれたため、親の愛情を受けずに育った男ダラハイドの物語だ。赤い竜への変身願望を満たすために殺人を繰り返す犯人。彼を捕らえるため捜査官グレアムが向かったのは収監中のサイコパスでかつ天才の精神科医レクター博士。レクターの無限の記憶力と極めて高い洞察力を頼ってのこと。かつてグレアムが自ら逮捕した男だ。
犯人は一見、普通に会社勤めをしていたが、実はRed Dragonの人格が宿り、香港で全身に赤い竜の刺青を施していた。会社のM&Aの関係で知り合った盲目の女性は外見にとらわれず自然な付き合いができ、これは彼にとって初めての経験であり、彼の人格は分裂し悩む。彼女を殺してドラゴンになれvs彼女をDragonから守れ
次の満月の晩にまた犯行に及ぶのか?一方地道な捜査により犯人に迫るグレアム。
.....
理解不能な狂人による恐ろしい連続殺人事件というのが表面的な見方だろうが、今回自分はどうにも不幸な男の悲しい物語という印象の方が強かった。
これも過去に文庫本で読んでいるものの原語による再読である。
★Kindle版がペーパーバック版とほとんど変わらない価格になっていて、Kindleのお得感が薄れているぞ>アマゾン

Red Dragon
by Thomas Harris
2013/1/22-2/7
2013-#4
rating 20 stars (5,5,5,5)
434 pages
Published by Berkley (2009/1/6)
ISBN:978-0440206156
ASIN:B001ODEP8U
USD 7.99 (paperback amazon.co.jp)
JPY 703 (paperback amazon.co.jp)
JPY 644 (Kindle version amazon.co.jp)

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2013.02.09

Point of Impact by Stephen Hunter

Point_of_impact金読で読む初めてのペーパーバック。金読はKindleの中国語表記だそうで、実は自分でKindleをどう日本語表記しようかと頭をひねって考えたものと同じだったのでちょっとびっくり。日本語で外国語の固有名詞を表記するときはだいたい読みにあったかたかなを使えばればだれでもおなじになるが、中国人が外国語を中国語で表記するときには何通りにでも表記できるので不便ではないかと想像する。金読も禁毒も実はKindleのことだったりするかもしれないし。ま、どうでもいいが。
 Point of Impact は過去に文庫本で読んだ記憶と記録がある。邦題「極大射程」はまったく原題に基づいていないが、ネタばれ防止および意味合い的にはよく考えられた優れた邦題と思う。

スティーブンハンターの初期の作品で、スワガーシリーズの第一作である。傑作であることが分かっていることと、しかし昔読んだ内容は完璧に忘れていることがはっきりしているので原語での再読ということになる。これは昨年のTom ClancyやTrevanianからの流れである。評価の高い過去の傑作への回帰ということになろうか。
さて主人公は引退した狙撃手ボブリースワガー。ベトナムで抜群の功績をあげたが、敵狙撃手の銃弾によって尻を負傷した最高の狙撃手である。今回の敵は彼を利用してある著名人の暗殺をたくらむ勢力。権力に入り込み情報と資金力と人的資源を使ってボブリーを巧みに導いてゆく。雇われた精神科医は彼の過去を調べつくし、彼を動かすことができるキーを探り出し実に巧妙にシナリオを立てる。この辺りはシブミのマザーカンパニーを思わせる。かすかな疑いを抱きつつも、敵の罠にはまってゆくボブリー。手に汗を握るアクションシーンあり、陰謀あり、ラブストーリーあり、最後はリーガルサスペンスまであるというエンターテインメント性てんこ盛りの面白さだった。
最近ニュースになった記事。なんだかちょっとこの小説にかぶる部分がある。

Point of Impact by Stephen Hunter
2012/12/28-2013/1/21
2013-#3
rating 20 stars (5,5,5,5)
530 pages
Published by Bantam (2007/2/27)
ISBN:0099453452
ASIN:B000O10FVW
USD 856 (paperback)
JPY 528 (Kindle version amazon.co.jp)

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2013.01.19

Kindle Paperwhite

R0087303 Kindle Paperwhiteを昨年末に入手した。約ひと月通勤時に利用してきて、やっと慣れたのでざっくばらんに感想を述べてみたい。

通勤がラクになった
ペーパーバックは文庫本に比べて一回り大きく、だいたいにおいてぶ厚さも2倍はあるため、通勤用の小さめのバッグがぱんぱんになっていた。kindleはサイズはほぼ同じだが厚さが9mmほどしかなく軽いので、圧倒的に荷物が軽くなった。あまりに分厚いペーパーバックは持ちにくいこともあり、吊革につかまった状態で右手だけで持って読み進めるのはちょっと慣れないとなかなか難しい技であった。こういった通勤中の読書が劇的にラクになった。また、通常の紙の印刷にとても近いのでまったく違和感なく読める。一度激混みの電車の中で押されてKindleを1m程度の高さから床に落としてしまったことがあった。さいわい踏まれる前に回収でき、まったく何のダメージもなかった。多少の弾力性のある素材だったためと思われる。ちなみにカバーなどは用いずに裸のまま利用している。

誤字が目立つ!
この誤字が底本由来のものなのか、デジタル化(どういう手法なのかもわからないが)の時に発生したものなのかは不明だが、これまでペーパバックをたくさん読んできて誤字に気付いた経験がほとんどいことを思えば、デジタル化時の読み取りミスなのではないかと思う。1冊の中に3語も誤字があればデジタルコンテンツとしては品質は高くないといってもいいだろう。ま、大きな実害はないが。

辞書参照が快適!
左手で吊革につかまりながら右手で持ち、右の親指だけで画面の右下の端をタッチしてページを繰る。左手で持つと左手親指では届かないので次ページにめくることが出来ないのだ。不明単語が出たときは左手で持ち替えて、右手の小指(字が小さいので小指を使うと間違わなくて済むのだ)の指先で単語をじーっと触れる。すると魔法のように辞書の該当ページが出現して瞬く間に意味を教えてくれる。これは実にすばらしく、全知全能の神になったかのような気分である。これまで電子辞書でさえ引くのが面倒ということで不明のままにしていた単語が、結構出てくるのだ。英文を読みながらその画面上で不明単語が解決するという理想環境が実現できているのではないかと思う(写真下)。最近はPCの画面でそれが出来ないのが不満に思うようになってきた。Windows8あたりで出来るようになっているのだろうか?

どこまで読んだのか?
ペーパーバックを毎日少しずつ読んでいくとき、読み終えたページに栞を挟んでいた。自分が愛用していた栞は伊藤若冲の鳥獣画図から一部を切り出したもので、皇居東御苑の三の丸尚蔵館の売店で数年前入手したプラスチック製のもの。この栞に描かれたホオジロの嘴でそのページの中で読み終えた行の位置を示していた。これで、次にページを開いたときに、その行から読み始めることが出来た。ところがKindleではこれが出来ないのだ。そもそも原本の何ページめなのかが分からないのだ。字体やサイズが可変なので、もともと絶対ページという概念が失われているため、本全体の何パーセントかおよび、position # という意味不明な数字が示されるだけなのだ。そのページの中の何行目まで読んだのかを記録するすべがないのだ。これが読書を再開するときに毎回ちょっといらっとくる。結局は一番上から読むことになり、読み終えるときには次ページの一番上の数行まで読んで閉じるようにする癖がついてしまった。余裕があるときはそれでいいのだが、急いでいるときはページの真ん中あたりで読み終えてしまい、次回は半ページを再度読むということになる。★できれば行まで指定できる栞機能が欲しいものである。>AMAZONさん。

バッテリー
ペーパーホワイトはE-InkディスプレイとLEDフロントライトにより非常に電力消費が少なく抑えられているようで、バッテリーを気にする必要がない。これまで二度ほど「充電せよ」の警告が出たが、そのまま30分ほど使用でき帰宅後に充電した。カタログ的には30分の利用で8週間持つとある。自分は毎日2時間ほどなので、計算的には2週間持つことになる。2週間だと忘れるので毎週日曜日に充電するようにしている
E-Inkが電力を消費するのはページ書き替え時のみなので、無駄にページを前後に繰ったり、辞書機能を頻繁に使用すると想定以上にバッテリーを消費するかもしれないが毎週の充電で問題ないようである。ちなみに充電用ACアダプタ(990円)を量販店で入手して使っている。

初期設定など
自分の機種はペーパーホワイト3G。アマゾンから届いて開封の儀を執り行った直後に、無線LAN(前の週に導入したて)のパスワードを登録しただけで、すんなり完了。一度文字サイズの変更をして、元に戻したのと、ライトの照度を調整したぐらいで、他には何もいじることをせずに快適である。ただ、3Gにした意味はなかったかもしれない。

★思うに
自分はペーパーバックを読む代わりにKindle Paperwhite 3Gを利用している。自分が好む欧米の大衆小説の多くはKindle版で出ており、しかも少し安価で購入することができるので大変便利である。しかし、日本語の本では品ぞろえがまだプアなので、がっかりする方も多いかと思う。自分としてはとても満足している

R0087306

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